馬の瞳を見つめて



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「馬の福祉先進国」への道しるべ

人間だれしも辛い思いや悲しい思いはしたくないものだ。
競走馬が引退後どのような余生を過ごすことになるのか、われわれ競馬ファンは薄々気づいてはいるものの、辛い現実にフタをして思考から遠ざけてしまう。
平易なタイトルからは想像もできないが、この本を読むには覚悟がいる。
幼少時から動物好きの著者は獣医師を志すものの、バイト先の北海道で馬に魅せられ、大学を中退し競走馬の生産牧場に嫁ぐ。
しかし、徐々に増え続ける引退馬を限られた土地で養えるはずもなく「馬を安楽死させないと経営が成り立たない」という辛い現実と向き合うことになる。
誰より馬を愛する著者が、馬を殺さなければいけない現実…
その現実に、著者の馬への無限とも思える愛情が折り重なり、一気に読ませる。
そして最終章「競馬の二面性」で著者は静かに、強く、主張する。
その主張の凄みはここではとても伝えきれない。自らの人生を削って馬への愛情を注ぎ続けた者だけに許される訴えであり、競馬界への提言であり、命の賛歌である。
提言の一部にも書いてあるが、競馬の主役である馬たちの引退後に最低限の幸せを与えるためには、売上金の一部を福祉に充てることが急務であろう。その仕組みはファン、馬主、主催者が知恵を出して作ればよいだけのことである。
著者が流しつづけた涙が、やがて英国並みの福祉制度確立につながると信じたい。
どんな陰にも陽があたれば陽になる

読む前に勇気がいりました。
きっと、泣けて泣けて仕方ないだろう、、、と。
確かに泣けました。

自分も競走馬と多少でも関わりを持つ身の上。
「登録抹消〜乗馬」という意味は、自分の一口愛馬のその後を追いかけるまでは全く知りませんでした。

確かに毎年1万頭もの乗馬が必要な国とは思えません。
あなたの周囲で一年に数回でも乗馬を楽しむ人がいますか?

あなたが競馬が好きで、多少でも馬がかわいいと思い、その将来をふびんと思うなら、馬に乗ってやって欲しい。荷物も運ばず、戦争にも行かない馬が生きてゆくには、人を乗せるしかないのです。

生産されるサラブレッドの多くが4歳の誕生日も迎えずに淘汰されてゆく。「喰って供養でいいじゃないか!」という人もいます。確かに、すべての馬は救うことはできません。ただ、著者が言う、「最後は安らかに、美味しいものをほおばったまま、キョトンとして逝かせてあげたい」、これこそが人のために働いてきた競走馬達への供養ではありませんか?

できればすべての競走馬達がこのような最期を迎えることができるようになって欲しい。動物を生かすための獣医さんが、安楽死をさせることへの葛藤もわかる。けれども、人間のために生産され、最期を迎える馬のことを最優先に考えてあげて欲しい。

読んでる時は泣けたけど、読み終わってとてもすがすがしかった。

競馬界がタブーとしている、「競走馬達のその後」という暗い陰に、著者が陽をあてて、皆さんに語りかけます。

この本は、中古ではなく、新本を買って読んで下さい。その一冊がまた、誰かの最期に陽をあててくれるかもしれないのです。

著者には、負けずに続けて欲しい。
私も今度こそ自分の愛馬を見失うことなく、最期まで共に生きてゆけるよう頑張ります。そのためにも、乗馬の楽しさを一人でも多くの方に伝えてゆきたいと思っています。
馬と生きるという事

競走馬のその後について興味をもち出会ったのがこの本です。競走馬のその後を知る人は一体どれくらいいるのでしょうか?馬を殺すなんて!と一言で片付けてしまうのは簡単なうえ自己満足に浸れるでしょう。でもその一言では馬達は救われないし生産者の方達の胸の痛みが消えるわけではありません。葛藤と戦いながらもその問題は消えてなくならないのです。馬を生産する苦労、子供のように大切に育ててきた馬を廃用にしなくてはならない苦悩、現実に迫る金銭問題…(1頭を飼うのに月いくらかかるか知っていますか?)廃用になった愛馬がロープで吊るされ頭をコンクリートに打ち付けられながら血を流し、それを見つめる生産者の思いが綴られた場面では胸をかきむしられるような悲しみでいっぱいになりました。それでも生産を続け馬に敬意を払い愛情を注ぎできる限りの事の最善を尽くしている著者。私達にできる事は何があるのか?考えさせられる本でした。競馬の表面しか理解していないまま「馬を殺すなんて可哀想!」という前に是非読むべき本だとおもいます。馬への本当の愛が伝わります。
ファン

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