バス問題初心者から駆除派まで一読の価値のある良書
この本はタイムリーなブラックバス問題を環境学の視点から考察している。ブラックバス問題の面白いところは、有用魚だとする地域や人もいれば、逆に害魚だとする人も多くいることであろう。現在は両者の議論はかみ合わず、あまり進展のない状態に陥っている。著者は、今の日本の状況や技術から、どのような対策がとられるべきかを検討している。この点で、この本は現実的で画期的だと思われる。それに、分かったつもりになっていた問題の複雑さも気づかせてくれる。例えば、一見同じことを主張しているように思われる漁業関係者と生物多様性の主張は、対立しているということなど。 もともと卒業論文のために書かれたものらしいので、内容に無理もなく読みやすい。バス問題初心者にもお奨めの一冊である。
バス擁護派としては頑張っているけど・・・
ブラックバス問題は、ブラックバスが在来の水辺の生物へ与える影響をどのように捉えるかで解決の方向性が決まる。生物進化の歴史的価値や生物多様性に重きをおけば駆除による撲滅や抑制となるであろうし、それが経済的価値や娯楽性なら在来の水生生物を犠牲にしての有効利用となろう。著者はこの問題を前者の価値観では解決不可能とし、生物多様性の保全とは切り離して漁業者と釣り人との利害関係に集約することで意図的に矮小化しようとしているようだ。生物多様性保全に向けての社会の動向から逸脱したアナクロニズムを感じるが、バス擁護派の今後の論理展開を知る上での参考にはなるだろう。
つり人社
魔魚狩り―ブラックバスはなぜ殺されるのか ブラックバス移殖史 (つり人ノベルズ) 底抜けブラックバス大騒動 ぼくがバス釣りをやめた理由―在来種を滅ぼす侵略者を止めろ! わたし琵琶湖の漁師です (光文社新書)
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