出会い系サイトと若者たち (新書y)



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出会い系サイトと若者たち (新書y)
出会い系サイトと若者たち (新書y)

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堅実さに好感

 本書の内容は、

・出会い系サイトの歴史、分類、統計などの、基本的データ
・出会い系サイト利用者へのインタビュー
・出会い系サイト関連事件のルポ
・出会い系サイト規制法の成立経緯と問題点

から構成されています。

 一般に、ノンフィクションというものには、著者の主観的な感想の多いエッセイ的なものと、事実中心のドキュメンタリーとがありますが、この本は圧倒的に後者で、著者自身の主観的な意見は最低限に抑制され、あくまでファクトの積み重ねにより構成されています。

 そのせいか、印象的にはかなり地味ですが、「出会い系サイト」というテーマの性質上、煽情的な筆致の本や、生煮えの仮説を振り回すような本が多いの中にあって、その堅実な筆致にはかえって好感が持てました。

 したがって、まず出会い系サイトの問題に関する基本的な事実をきちんと押さえたい、という人には、わりとお勧めできる本ではないかとおもいます。

(星4つはちょっと甘めかも知れませんが、ちょうど他の本に辟易していたところだったので(^^)。)
どこか視点が違うといった感じです。こう感じるのは私だけでしょうか。

 この本は出会い系サイトに対する規制、そしてそれは広い意味での捉らえ方での出会い系サイトの規制に対しての法律の整備に対して、問題視する声である。現代の風潮として、「出会い系サイト=売春・殺人・ねずみ溝事件」的な図式が浮かび、全く良いイメージはないが、それだけではないと著者は主張しているのだ。そして、そのような図式を前提とした法的規制について、「出会い系サイトとは何か」から始まり、実際に出会い系サイトを利用する若い女の子に対するインタビューや、いわゆるそれを使いこなす大人へのインタビューが記載されていた。私はそのインタビューを読んで感じたのは「満たされていない心」だった。著者は法律問題の摘発に力を注いでいるためにここが軽視されているように思えてならない。そこがこの本の欠点である。

 また社会的背景から問題をあげるならば、「いまどき」の「当たり前」というものが第一に挙げられる。例えばブランド物のバックなど。本書において登場するアンジェロ氏の印象的な文章を引用するなら「リスクを背負ってその結果得た貴重なお金を『みんなが持っている』ブランドを持つことで安心する。街中で、目の前を通る女の子の半分以上が、かたからヴィトン……。その魔法のバックを持てば、女の平均レベルになると思い込んでいて、そのことで安心する。『平均』的な女になるために、危険で、倫理的に間違っているとされる方法の『出会い系』で体を売って安心を求める手っ取り早い方法しか知らない女の子があまりにかわいそう」と言っている。人間関係の面でいうなら「暇潰し」に始めたという人もいた。この箇所は大変印象的であった。自らをブランドにするのではなくブランドを身につけることで自分を高めるという満足が得られる「ような」気になっているというのだから。

 でもこれらの根本には愛の問題があるように思えてならない。「出会い系サイト」は果たして必要なのだろうか。著者は肯定派としての意見をのべ反対派にたいして攻撃しているわけだが、私は筆者の挙げる反対派の意見とは別な意見をもって反対派である。確かに筆者の言うように、規制が進めばアンダーグラウンド化は進むだろう。だから、規制を加えるからには別な逃げ場所も必要だと私は思う。しかし、それと同時にもっと根本的な問題の解決が最優先だと私は思う。何故出会い系に走るのか、うわべだけの理由にごまかされずに根本的な問題を考え解決策を考えるべきでは無いだろうか。何故着飾る必要があり、何故お金で体を買おうとするのか。私の考えでは周囲が冷ややかに見え、あるいは両親からの愛が感じられなくて「愛されたい」という思いから「誰かに注目されていたい、冷え切った夫婦関係で「愛が欲しい」という思いから唯一ある金で愛を買いたい(もちろん愛の無い愛の「ような」ものしか買えないが)という構図が出来ているのでは無いかと思う。つまり満たされない心を満たせる「ように」思い込んで出会い系サイトを利用しているのではないかと考えるのだ。そしてここから解決策を模索するべきでは無いだろうか。

 また、著者は出会い系サイト事件が起こるのは現実とねっとのなかで理想化された人物像とのギャップによるものであるといったこと、新しいものにははじめはプロだけしかいないので問題は少ないが、拡大して行き素人が入ってくることで事件に至る問題が発生するといったことも書いていた。この点に関しては納得がいく。



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